気象画像知識の部屋

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衛星画像の基礎知識

※このコーナーの画像は、すべて気象庁提供

   太陽からの放射、地球表面(雲を含めた地球大気)からの放射によるエネルギーを論じるときは、太陽、地球表面、雲を含めた地球大気を黒体と仮定することができる。これを黒体放射または黒体温度といい、雲の温度(黒体温度)は、雲が発生している高度の気温と同じである。
   地球が太陽から受け取っている放射と、地球自身が宇宙空間へ放っている放射があるが、太陽から放射されるエネルギーは波長0.5μm付近(可視光線)で最も強く、これより波長が長く・短くなるほど弱くなっている。
一方、地球の表面の温度は約15℃(300K)、対流圏上部の平均的な温度は-50℃(225K)である。このため、地球表面もしくは雲を含む大気からの放射は、波長8~12μm付近(赤外線)で最も強く、これより波長が長く・短くなるほど弱くなっている。
   つまり、地球は太陽から短波放射によりエネルギーを受け取り、自身は長波放射により宇宙空間へエネルギーを放出していることになる。

  • 衛星と地球
    MTSATシリーズの気象観測 衛星と地球 気象庁ホームページより(一部加工)

   大気の組成物質は、それぞれ吸収しやすい電磁波の波長(吸収特性)があり、放射された電磁波は吸収特性をもつ物質に吸収され、その物質の熱振動へと変わり、その物質を暖めることになる。  
   大気を構成する78%あまりが窒素(N2)で、これに次いで多い酸素(O2)と合わせると、その割合は大気全体の99%をも占める。気象衛星による画像観測では、大気の大部分を占める窒素と酸素はあまり問題にはならず、むしろ大気に微量に含まれている二酸化炭素や水蒸気などが問題となる。大気に微量に含まれる水蒸気や二酸化炭素などは長波放射(赤外線)をよく吸収する特性を持っている。(長波放射をよく吸収する気体を温室効果ガスと呼ぶ)一方、地球の大気には短波放射(可視光線)を吸収する吸収特性を持った気体はほとんどない。  
このため、太陽から到達する短波放射(可視光線)は、そのほとんど大部分が大気を透過して地表に届くのに対し、地表から放出される長波放射(赤外線)は、その大部分が大気圏外へ出る前に大気中の温室効果ガスに捕捉吸収されてしまい、そのほとんどが衛星に達することができない。

   それでも衛星で対流圏下層の雲を観測できるのは、どうしてであろうか・・・・。  
下図は温室効果気体による吸収が波長別にどのくらいになるかを示している。  
長波放射の大部分は衛星のセンサーに届くまでの間に大気中の温室効果ガスによって吸収消費されてしまうが、例外的に温室効果ガスによる長波放射の吸収消費がほとんどない波長帯がある。この波長帯(IR4 3.5~4.0μm やIR1 10.3~11.3 um、IR2 11.5~12.5 um 付近)を使えば、温室効果ガスの影響を受けずに赤外線による観測が可能となるわけで、この波長帯は「大気の窓」と呼ばれている。

  •                                                                     大気の窓

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