気象画像知識の部屋

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※このコーナーの画像は、すべて気象庁提供

~気象衛星「ひまわり」が観測する画像~続き

②水蒸気画像=赤外3画像(IR3 6.5~7.0um)

   赤外3画像(IR3 6.5~7.0um)は水蒸気画像とも呼び、大気中の水蒸気による吸収を最も受けやすい波長帯を観測した画像である。
このため大気中の水蒸気量が大きく変化する中緯度帯の夏季と冬季では画像の見え方が大きく異なるが、赤外1画像や赤外2画像では見ることができない「水蒸気」の動きを直接見ることができる。
   この性質を利用して、高層観測点が非常に少ない洋上の大気各層の風向風速や、上層~中層の上昇流や下降流を推定することもできる。  
   水蒸気画像も赤外画像と同様に雲頂温度の分布を表し、温度の低いところを明るく、温度の高いところを暗く画像化している。
ただし、水蒸気画像の場合、あえて水蒸気による吸収の影響が大きい波長帯(6.5~7.0μm)を使っているため、対流圏下層から放射された赤外線は経路上の水蒸気にことごとく吸収されてしまい、気象衛星に届くことはない。わずかに対流圏上・中層から放射された赤外線のみが気象衛星に到達できる。
このため、水蒸気画像においては、対流圏中・上層の水蒸気の多寡により画像の明るさが決まり、上・中層で水蒸気の少ない乾燥した部分は、より下層からの放射量が多く寄与するので温度が高く、画像では暗くみえる。
上・中層で水蒸気が多い湿った部分は、上・中層の水蒸気や雲からの放射量が多く寄与するので温度が低く、画像では明るく見える。
対流圏中・上層の水蒸気量の変化は大気の鉛直方向の運動や水平方向の変形運動と密接に関係していて、これらの大気運動の結果、中・上層の流れに変化が生じれば、それに応じた特有のパターンが水蒸気画像に現れる。  
   水蒸気パターンは、対流圏の中・上層の流れの変化によく対応しているので、数値予報モデルの結果を実際と比較する場合に非常に役立つ。

  • 2009年8月30日09時   ひまわり6号赤外1画像
    2009年10月8日09時   ひまわり6号赤外3画像(水蒸気画像)

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