環水平アーク・環天頂アーク・幻日・日暈・月暈
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- 環水平アーク
- 環水平アーク・環天頂アーク・幻日・内暈・外暈 ・タンジェントアーク
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- 環天頂アーク・幻日・日暈
虹は太陽光線が空中に浮かぶ雨滴による屈折と反射によって起きる気象光学現象で、太陽を背にしたとき太陽と反対の方向に現れるが、太陽光が上層の巻雲や巻層雲などの氷晶によって屈折することにより引き起こされる気象光学現象がある。
環水平アークもその一つで、出現位置は、太陽の下方半径46度付近にほぼ水平の上が赤、下が紫の虹の帯となって現れる。
太陽高度が46度以上まで上がる場所・時期が条件なので、出現場所は、中~低緯度地域の夏期となる。
東京の緯度付近では、2月下旬から10月中旬くらいが観測条件の範囲だが、全国的に観測出来るのは
5~8月くらいとなる。(北にいくほど観測が難しい)。
環水平アーク・環天頂アーク・幻日・日暈が起こる条件
巻雲や巻層雲は、薄い六角柱(六角板状)の氷晶が雲をつくっていることが多い。その氷晶の六角柱は、底面を水平に近い角度に保ちながら漂っている。
太陽の光がこの氷晶によって屈折して生ずるのが暈(かさ)でハローとも言う。
暈は太陽を中心として約22°の大きさの丸い環、内暈と、太陽を中心として約46°の大きさで見える外暈がある(外暈はめったに見られない)。
内暈の左右でとくに明るくで見えることもあり、それを幻日という。
暈はあまりきれいに虹色に分離しないが、幻日はきれいな虹色に見えることが多い。
環天頂アーク・月暈
秋から初冬の頃、日本付近を移動性高気圧が通るとき、高気圧の後面で巻雲や巻層雲が広がってくる。
巻層雲が空を覆うとき日暈や月暈が現れる。また、太陽から上側に約46°の位置にある雲に六角柱(六角板状)の氷晶があれば、環天頂アークが見えることになる。
環天頂アークは、太陽から上側にだいぶ離れた位置に現れ、太陽を中心として約46°の大きさで見える外暈に接する天頂弧となっている。外虹と同じく上が紫、下が赤だが逆虹の形状をなす円弧で、近傍には外暈があるはずだが、鮮やかに見えるのは環天頂アークである。
写真(左)は、京都大徳寺の塔頭の一つ高桐院の紅葉と竹林の庭を歩き、細川ガラシャの墓の前で空を見上げたときの1枚である。景色がいいところでは、環天頂アークの見栄えもひとしおだった。
写真(右)は、友人の坂戸宏敏氏に依頼して撮ってもらった月の暈だが、天文ファンの彼らしく月と木星(月の下側に見えているのが木星)の接近した構図を選んでとってくれた珍しい写真となっている。
寒い冬の夜空の撮影に感謝!