お天気Q&A

2009年7月皆既日食

喜界島の天空ショー

    2009年7月22日、トカラ列島では雲がかかって皆既日食を見ることができなかったが、皆既帯の地域で皆既日食の見られる南限に当たる喜界島では、世紀の天空ショーが見ることができた。
    皆既日食の寸前には、太陽の光が月の山や谷によって木漏れ日となって、ダイヤモンドリングになる瞬間が現れ、大歓声があがった。
    皆既日食の瞬間は、晴れていた空は、にわかに夕暮れの暗さとなり、太陽のまわりにはコロナが広がって見られた。また肉眼では確認できないが、天体望遠鏡では太陽表面から吹き出ている赤いプロミネンスなども観察することができた。
空は、夕方・明け方の薄明中のように暗くなり、隣の人の顔がわかりづらいほどだったが、地平線近くは、光が残り夕焼け(朝焼け)のように空が赤く染まる「日食焼け」が見られた。
    暗くなるにしたがって気温は下がり、皆既日食になった11時00分の喜界島の観測データでは、気温は、28.5℃で前後の時間で最低となっている。
    また、南西風、10分間平均風速は4.2m/sを観測しているが、暗闇と共にこの間、風が不思議とやんでいた。
    日の当たっていた島の地面は温められ、山がある陸地では周りの海水温度との比熱の差により上昇気流ができ、持ち上げられた空気塊の後を埋めるように海からの風(海風)が入りこんでいたが、気温の低下と共に
上昇気流が生まれなくなってしまったため、海風の進入が阻止されたのが原因で短時間の凪となったと思われる。
    また、皆既日食のあと、巻雲が広がって太陽の周りには暈(ハロー)が見え た。太陽と月の天体ショーに続いたおまけの空のショーに観客は、神様の粋な計らいに大いに感謝したと言う。
    日本の陸地での皆既日食は1963年7月21日の北海道東部で見られて以来、実に46年ぶり。
次回は、26年後の2035年9月2日の北陸・北関東などで見られる皆既日食となる。
    皆既日食は、東海大学望星丸の皆既日食プロジェクトによって、海上でも詳細に 観測されていた。
ビデオをご覧になりたければ、
東海大学望星丸の皆既日食プロジェクト http://ch.yahoo.co.jp/u-tokai/index.php?blogid=8&startpos=5
東海大学 日食観測プロジェクト番組 後半
のレポートをご覧ください。 (提供 東海大学浦安高校 望星丸の皆既日食プロジェクト)

  • 望星丸より_01
    望星丸より_01
  • 望星丸より_02
    望星丸より_02
  • ダイヤモンドリング
    ダイヤモンドリング
  • 宮崎より
    宮崎で見られた部分日食

皆既日食による地上気温の変化

    日食時、特に皆既帯の地域で気温変化アメダス10分値 条件の比較的良かった奄美地方(名瀬、笠利=奄美空港、喜界島)で1.5~2℃の変化が、父島(98%)や那覇(92%)でも2℃程度の変化があった。
天気の悪かった屋久島・尾之間(屋久島)やトカラ列島の中之島(降雨で気温が下降)は日食による気温変化があまりみられなかった。

『皆既日食』気温のグラフ
『皆既日食』気温のグラフ

皆既日食
気象庁ホームページより ひまわりの可視画像の動画

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